オババは死ぬまで恋をする

オババは毒親である。オババは要介護である。オババは恋愛体質である。

ゴミ屋敷に住むオババを捨てなかったわけ

子供のころからさんざん酷い目にあってきたのだからオババの介護なんてしなければいいしする必要もないと思っているのに・・・

  

何人目かの夫が死んで(後妻業ではないよ)何年か一人暮らしをしていたオババ。もちろん外には遊ぶ男はいたけれど家で自分の世話をしてくれる男がいないので数年でゴミ屋敷となった。それに私が気づいたのは何かの用事でオババを車の助手席に乗せた時だった。

 

車を走らせてしばらくしてふと何か異臭がすることに気づいた。爬虫類を車で引いてしまったのか?車を停めて車体の下を覗いてみたがそれらしき物はない。仕方が無いのでまた車に乗り込んだところで異臭の原因が分かった。

 

この助手席のオババから数日間放置した生ごみみたいな饐えた臭いがする。「なんか洋服が臭うよ?」と私。

 

「におい?別に何も臭わないけど。あんたはいちいち神経質なんだよ!そんなんだからろくな友達もいないんだよ!旦那だってよくあんたみたいな神経質な女と一緒にいるよね。どうせ浮気でもしてるんじゃない?」

 

たった一言が何倍もになって返ってきたよ。友達はいるし夫は今のところ浮気はしていないのでご心配頂かなくて大丈夫です。

 

とりあえずオババを自宅に連れてきて新しい服に着替えさせて洗濯をした。嫌がっていたオババも身綺麗になって機嫌がよくなりその日は用事を済ませオババは家に帰って行った。

 

嫌な予感がしたので後日オババの家に行くと玄関を開けたところからゴミ袋が何袋も積まれ奥は脱ぎ捨てられた洋服で部屋と廊下の境目も解らない状態となっていた。オババ曰くゴミ出しの時間に起きられないというのがゴミ袋をため込んでいる理由らしい。

 

いやいや、ちょっと待ってくださいよ。バス旅行だの何だのと早朝から出かけているのにゴミ出しのためには起きられないと?

 

今はまだテレビで見るゴミ屋敷の60%くらいだけどテレビ出演の依頼が来るのも時間の問題だわ。

 

どうしたものか・・・・・・その時、服を洗濯をして身綺麗になり機嫌がよくなったオババが頭の中に浮かんだ。もしかして一緒に暮らして私が面倒をみれば意外と上手く暮らしていけるのでは?

 

そんなことを考えてしまうのは毒親だって20年間ずっと毒親だったわけじゃないし、普通の母娘に憧れていたからなのかも。

 

これが間違いだったことに気がつくのに大した時間はかからなかったよね。何十年も離れて暮らしていたので忘れていたけど、オババの一言でいつでも「幼い日のおもひで」がフラッシュバック出来るんだったわ。

 

子供時代、誰にも必要とされなかった私はオババと暮らすことでオババに褒めてもらいたいと思っていたのかもしれない。

 

あーーーー毒親育ちって面倒くさい( ;∀;)